学校・教育機関への仕出し弁当営業は「安定した定期受注が取れる」と言われます。確かにそのとおりですが、実際に受注を取ろうとすると、公立と私立で攻め方がまったく違うことに気づくはずです。
この記事では、学校・教育機関向けの仕出し弁当営業を検討している事業者の方に向けて、市場構造の整理から具体的な営業手順までをお伝えします。
学校向け仕出し弁当の市場は「公立」と「私立」で構造が根本から異なる
学校向けの仕出し弁当営業で最初に押さえておくべきことは、公立と私立では市場の仕組みがまったく違うという点です。ここを混同したまま営業をかけると、時間だけが過ぎていきます。
公立学校:教育委員会が予算を握っている
公立の小中学校の場合、給食に関する予算は各市町村の教育委員会が管理しています。学校長に「うちのお弁当を使いませんか」と提案しても、校長に決定権はありません。
文部科学省の「学校給食実施状況等調査」(令和3年度)によると、公立小学校の完全給食実施率は99.0%、公立中学校は91.5%です(参照:文部科学省「令和3年度学校給食実施状況等調査」)。つまり公立の小中学校は、すでにほぼ全校が何らかの給食を実施しています。
ここに仕出し弁当業者が新規で食い込むには、既存の給食体制のリプレイスか、デリバリー方式(業者弁当方式)を採用している自治体への入札参加が主なルートになります。
私立学校:校長・理事長の判断で決まる
私立中学校の給食実施率は約12%に過ぎません(同調査)。残り88%の私立中学校では、生徒は弁当持参かカフェテリアでの購入です。
ここが仕出し弁当業者にとって最大のチャンスです。
私立は国からの給食費補助がなく、学校側が独自に給食を運営するにはコストがかかりすぎる。一方で共働き世帯の増加により「毎日の弁当作りが負担」という保護者の声は年々大きくなっています。学校側も生徒の昼食環境を改善したいと考えているのに、現実的な手段がない——この課題に応えられるのが、仕出し弁当業者による配食サービスです。
決裁権は理事長や校長が持っているケースが多く、教育委員会を経由する必要がないぶん、提案から受注までのスピードが格段に速い。公立の入札と比べれば、営業のハードルは明らかに低いと言えます。
高校市場は仕出し弁当業者にとって巨大な空白地帯
公立・私立を問わず、高校にはほとんど給食がありません。夜間定時制高校の一部を除けば、全日制高校で給食を実施している学校はごくわずかです。
高校生の昼食手段は「弁当持参」「購買部」「学食」のいずれかですが、購買部はパン・おにぎり程度、学食は座席数に限りがあり全校生徒をカバーできません。
1校300人の高校で、仮に3割の生徒が弁当配食サービスを利用するとします。
- 90食 × 500円 × 月20日 = 月90万円
1校でこの規模感です。同じ配達エリア内に高校が3校あれば、月270万円の安定売上が見込めます。配達ルートの効率も良く、朝に一括納品するだけなので、企業向けの日替わり弁当とほぼ同じオペレーションで対応できます。
実際に、近年は「SCLUN(スクラン)」「PECOFREE(ペコフリー)」といった高校生向け弁当デリバリーサービスが登場し、事前注文型の仕組みが広がり始めています。こうしたプラットフォームに参画する形で学校市場に参入するのも、営業コストを抑えるひとつの方法です。
公立学校への仕出し弁当営業で押さえるべき調達プロセス
公立学校の給食は公費で運営されているため、民間業者への委託は入札を経て決定されるのが原則です。営業の手順も、企業向けとはまったく異なります。
調理業務委託の入札に参加する
公立学校の給食調理業務の民間委託は年々増加しています。文部科学省の調査によると、調理業務・食器洗浄・運搬業務のいずれも委託率が上昇傾向にあり、約半数に迫る水準です。
入札に参加するには、まず対象自治体の入札参加資格を取得する必要があります。自治体のホームページに掲載される「競争入札参加資格審査申請」に必要書類を揃えて申請し、認定を受けてから案件に応募する流れです。
入札公告は各自治体の調達情報ページに掲載されます。対象エリアの教育委員会の調達ページをブックマークしておき、定期的にチェックする習慣をつけましょう。
デリバリー方式の自治体を狙う
横浜市では令和3年から選択制のデリバリー型中学校給食を開始し、令和7年4月時点の喫食率は54.2%に達しています(参照:横浜市中学校給食)。令和8年度からは全員給食への移行を予定しており、全生徒・教職員81,000食分の供給体制確保に向けた事業者との対話(サウンディング調査)も実施されています。
こうしたデリバリー方式を導入・拡大している自治体は、弁当製造・配送ができる事業者を積極的に探しています。自社の配送可能エリア内にデリバリー給食を実施している自治体があれば、参入のチャンスです。
官公庁や公的機関への営業プロセスについては、官公庁・公的機関向け仕出し弁当の営業で成果を出す方法でも詳しく解説しています。
私立学校への仕出し弁当営業は「保護者の課題」を起点にする
私立学校への営業は、公立のような入札プロセスがないぶん、提案の質がそのまま受注率に直結します。
アプローチ先は事務長または副校長
私立学校で食に関する業者を選定するのは、多くの場合、事務長(事務局長)か副校長です。校長が最終決裁者であっても、実務の窓口は事務方が担っています。
電話でアプローチする際は「生徒の昼食サービスについてご提案があるのですが、食事関連のご担当者様はどなたでしょうか」と聞けば、適切な担当者につないでもらえることが多い。いきなり「仕出し弁当のご案内です」と切り出すと、営業電話として処理されてしまいます。
提案書には「保護者の負担軽減」を盛り込む
私立学校が弁当配食に関心を持つ最大の理由は、保護者からの「弁当作りの負担を減らしたい」という声です。
提案書には以下の要素を盛り込むと効果的です。
- 注文方法(アプリ・Web・FAXなど)と締切時間
- 1食あたりの価格帯(400〜600円が高校生、500〜700円が私立中の相場感)
- アレルギー対応の可否と管理体制
- 導入時に学校側に必要な準備(弁当の受け渡し場所の確保のみ)
- 試食会の無料実施
「学校側の手間がほとんどかからない」ことを伝えるのが肝です。食堂の運営委託とは違い、弁当配食は受け渡し場所さえあれば始められます。初期投資がゼロに近い点を強調すれば、導入の心理的ハードルを大幅に下げられます。
営業のタイミングは10月〜12月
私立学校の予算は年度単位で編成されます。4月の新年度開始に間に合わせるには、前年度の秋(10月〜12月頃)に提案を持ち込み、1月〜2月に試食会を実施し、3月に契約という流れが現実的です。
4月以降に営業しても「来年度の検討事項にします」と言われて1年待たされるケースが大半です。逆算して動くことが、学校営業では特に重要になります。
学校向け仕出し弁当で求められる食品安全基準
学校に食事を提供する以上、食品安全への対応は企業向け以上に厳しく求められます。
HACCPに沿った衛生管理は必須
2021年6月から、原則としてすべての食品等事業者にHACCPに沿った衛生管理が義務化されています。学校給食では文部科学省の「学校給食衛生管理基準」がベースとなっており、弁当を配食する業者にも同等の管理水準が期待されます。
日本弁当サービス協会が公開している「仕出し弁当のHACCPの考え方を取り入れた衛生管理手引書」(厚生労働省掲載)は、仕出し弁当業者向けに具体的な管理手順がまとめられていますので、まだ確認していない方は目を通しておくことをお勧めします。
アレルギー対応は「やるかやらないか」を明確にする
学校へのアレルギー対応は、中途半端が一番危険です。7大アレルゲンの表示対応、専用の調理ラインの確保、調理器具の分離管理など、本格的に対応するにはそれなりの設備と体制が必要です。
もし完全なアレルギー対応が難しい場合は、「当社ではアレルギー対応食の製造は行っておりません。アレルギーをお持ちの生徒様はご家庭でのお弁当持参をお願いしています」と正直に伝えるほうが信頼されます。できないことをできるかのように見せるのは、事故のリスクを抱えることになります。
食中毒対策全般については梅雨から夏に使える弁当メニューのアイデアと食中毒対策もご覧ください。
学校向け仕出し弁当の売上シミュレーション
実際にどの程度の売上が見込めるのか、パターン別に試算してみます。
パターン①:私立中高一貫校1校と契約した場合
- 中学生200名のうち利用率30% → 60食/日
- 高校生400名のうち利用率40% → 160食/日
- 合計220食/日 × 500円 × 月20日 = 月220万円
年間で約2,640万円。1校の契約でこの規模になります。
パターン②:公立中学校のデリバリー給食を3校受託した場合
- 1校平均300名 × 喫食率50% = 150食/校
- 3校合計450食/日 × 330円(自治体の給食費単価) × 月20日 = 月297万円
単価は低めですが、長期契約(通常1〜3年)のため安定度が高い。
パターン③:高校3校への弁当販売
- 1校平均80食 × 3校 = 240食/日
- 240食 × 500円 × 月20日 = 月240万円
夏休み・冬休み・春休みの計約60日は売上がゼロになる点に注意が必要です。年間ベースでは月240万円 × 10ヶ月 ≒ 年2,400万円が現実的な見込みです。
新規開拓の具体的な手順は仕出し弁当の新規開拓営業で成果を出すために現場で実践している方法で解説しています。
学校行事・教職員向けの「スポット案件」も見逃さない
日常の配食だけでなく、学校にはスポット案件のチャンスも多くあります。
教職員向けの会議弁当は典型的なスポット案件です。職員会議、研修会、PTA懇親会、保護者面談期間中の教員向け弁当——こうした案件は年間を通じて発生します。1回あたり30〜50食、単価800〜1,200円程度と、日常の配食より客単価が高いのも魅力です。
運動会、文化祭、卒業式といった学校行事では、来賓・保護者向けの仕出し弁当が必要になることもあります。こうした行事は毎年同じ時期に開催されるため、一度受注すれば翌年以降のリピートが期待できます。
「まずは教職員向けの会議弁当からお付き合いを始めて、信頼関係を築いてから日常の配食サービスを提案する」——この2段階のアプローチは、私立学校への営業では特に有効です。
学校向け仕出し弁当の営業で人手が足りないときの打ち手
学校への営業は、提案書の作成から試食会の実施、契約後のオペレーション構築まで、通常の企業向け営業より手間がかかります。日々の調理と配達に追われている事業者にとって、営業だけに時間を割くのは現実的に難しい場面もあるでしょう。
日本仕出し営業代行センターでは、学校・教育機関向けの営業を含めた仕出し弁当・ケータリング専門の営業代行とコンサルティングを提供しています。対象校のリスト作成からアポイント取得、提案書の作成支援まで、営業プロセスを外部に任せることで、事業者の方は調理と品質管理に集中できます。
まとめ
学校・教育機関向けの仕出し弁当営業は、公立と私立で攻め方がまったく違います。公立は入札参加とデリバリー方式の自治体への参入がメインルート。私立は給食のない学校への直接提案が有効で、特に中高一貫校と高校は需要が大きい。営業のタイミングは前年度の秋が勝負です。
まずは自社の配達圏内にある私立学校をリストアップし、給食の有無を調べるところから始めてみてください。
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