高齢化社会の進展に伴い、高齢者向けの配食事業（宅配弁当のフランチャイズ）が注目を集めています。
2025年には高齢者配食市場が1300億円規模に成長する見込みであり、デリバリーの弁当市場は毎年120％から130％成長しています。
宅配弁当のフランチャイズとは、具体的にどのようなビジネスモデルなのでしょうか？
成功や失敗の事例はあるのでしょうか？
今回は、宅配弁当のFCについて市場規模や集客方法、成功・失敗事例について徹底解説します。
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宅配弁当のフランチャイズとは？
宅配弁当（宅食とも呼ばれます）のフランチャイズとは、既存の飲食店が宅配弁当の事業を展開するために、本部からブランドやノウハウを提供してもらう仕組みです。
自分で宅食を開業するより、ノウハウを持っているフランチャイズに加盟した方が出店しやすいという特徴があります。
宅配弁当のフランチャイズに加盟すると、以下のようなメリットがあります。
- ブランド力が利用できるため、集客や販促がしやすい
- 本部からメニューや仕入れ、研修などのサポートが受けられるため、手間が省ける
- 未経験からでも始めやすい
高齢者向けの配食事業は成長産業
高齢者配食市場は、2025年には1300億円の規模に成長する見込みがあります。
日本は高齢化が進んでいるため、高齢化社会の進展に伴い毎年120％から130％成長しています。 2025年に1300億円のマーケットに成長すると予想されています。
加盟金・保証金ゼロで宅配弁当のフランチャイズは加盟しやすい
宅配弁当のフランチャイズは成長市場ということもあり、どの会社もフランチャイジーを多く増やしたいと考えています。
そのため、加盟金や保証金がゼロで加盟できるところが多いようです。
加盟金や保証金といったフランチャイズ参入の障壁がほとんど、誰でも参入できるようにしていますね。
実際には研修費などあり数十万程度はかかるようですが、それでも一般的なフランチャイズの加盟料と比べるとはるかに安いと言えます。
ただし、加盟金や保証金がゼロということは「誰でも参入しやすい」という反面「多くの競合が存在する」という事も忘れてはいけません。
飲食店との二毛作を想定
宅配弁当のフランチャイズ募集のページを見てみると、飲食店がFCに加盟している事例が多いのが判ります。
宅配弁当FCは、飲食店の既存の設備を使って、スキマ時間に宅配弁当を展開させることで、事業拡大を狙っているように見受けられますね。
これは、FC本部・飲食店共に理にかなってるといえます。
飲食店は夜中心で営業しているところも多く、宅配弁当のフランチャイズは早朝～昼までの時間空いていることがあります。
そのスキマ時間を配食事業に充てる事で、お店の稼働率を上げようということです。
飲食店は家賃や人件費がほぼ一定のため、単純に売上が上がれば利益も上がっていくと言えるでしょう。
配食事業は安定型のストックビジネスモデルに近い
配食事業は、一度契約すると安定して注文をもらいやすいです。
配食事業のFCの場合、多くはご高齢者や持病をお持ちの方が多数。
ですから、「月～金の夕食をたのむね」といった継続注文になりやすく、ストック型のビジネスモデルに近いと言えるでしょう。
また、高齢者施設などはカタログを置いてもらえることもあるため、習慣的に注文をいただけることも多く安定型のビジネスモデルと言えます。
宅配 弁当 フランチャイズの集客方法は？
宅配弁当のフランチャイズは、どのように集客するのでしょうか。
多くの集客方法は、施設周り、チラシ配りとネット集客になっています。
施設周りとチラシ配りが約９割で、ネット集客は約１割程度のようです。
つまり、宅配弁当のフランチャイズで稼ぐには営業が必要ということになります。
宅配弁当フランチャイズはとれくらい人気があるの？
「宅配 弁当 フランチャイズ」でGoogle検索すると214,000件のページがヒットし、上位にはFC加盟店募集のページが多く表示されます。
上位は全てフランチャイズ本部の加盟店募集サイトで広告がたくさん掲載されてりいるので、それだけでもかなり競合の多い業種ということが予想されますね。
これだけのFC本部が乱立し加盟店を募集しているということは、かなり人気のある業界であるということがうかがえます。
ただ、注意しなければいけないのは、「人気がある＝売れる」ということではないということです。
前述した通り、低価格の弁当というのは特殊な技術が必要なく、誰でも参入することができます。
宅配弁当のフランチャイズは、競合ひしめくレッドオーシャン市場であると考えておいた方がいいでしょう。
宅配弁当のフランチャイズは儲からない？失敗事例を紹介
「宅配 弁当 フランチャイズ」でGoogle検索すると「儲からない」「失敗」というキーワードが関連キーワードとして表示されます。
これは、「宅配弁当のフランチャイズを検討しているが、本当に儲かるか心配している方」が多く、実際に儲からなかった、失敗した事例を探しているということが伺えます。
こちらでも調べてみたところ
- 宅配 弁当 フランチャイズ 儲からない
- 宅配 弁当 フランチャイズ 失敗
このようなキーワードで表示されるwebページは、ほとんどが「儲かる」という結論になっているwebサイトでした。
これらは、「儲からない」「失敗」というネガティブなキーワードで検索されることを想定した本部またはアフィリエイター書いている記事広告であることが多いため、どのような運営者が書いているかをよく見た方がいいでしょう。
実際に儲からない、失敗という事例はYhoo知恵袋といった匿名のQ&Aサイトで散見されました。
Q:フランチャイズで○○弁当か○○に加入したいと考えています。 この業界に詳しい方、メリット、デメリットを教えて下さい
引用元；Yahoo知恵袋 ※一部伏字にしております。
A:同業です。 元々、介護サービス業や調剤薬局、あるいは飲食業などを本業として営んでいる法人や個人が副業として開業する場合には、シナジー効果が期待できメリットも出てきますが、もしも配食専業の起業であれば、正直お話しできるメリットはありません。
あえて言えば「一国一城の主になれる」というくらいです。
デメリットはたくさんあります。 顧客は簡単には増えません。
受注が増えなければ従業員も雇えないし、休みも取れませんし、利用者の日常の食事を提供する仕事なので休むこともできません（安易に臨時休業などすると信用を失います）。 起業予定地に既に競合店がある場合、さらに難しくなります。
殆どの新規オーナー（個人の専業）は数ヶ月から数年で撤退します。
生き残っているのはかなりの猛者の個人オーナーか、本業で儲けが出ている法人店です。
その中に食い込んでいくのは簡単ではありません。
元々は業界最老舗FCに加盟していたオーナーが、そのFC本部と揉めて辞めて、独立して作ったFCが○○弁当です。さらに○○弁当から枝分かれしたのが○○ですね。
○○弁当には○○という別ブランドもあります。同じ市内に、○○弁当・○○・○○が乱立することを、『兄弟喧嘩』と言うとか言わないとかw 高齢者ビジネスなので将来性があると言われますが、薄利多売が必要な割に見守りしながらの配達で効率は上げにくく、かつ競合とシェアを取り合う感じになるので、生き残りにくい業界です。
両本部とも「加盟金なし」「ロイヤリティなし」と気楽に起業できるように謳っていますが、そんなに簡単ではありません。
『社会的貢献性の高い仕事に人生をかけたい』等の熱い志しを持つ人以外にはあまりお勧めできるものではありません。
どのフランチャイズでもいえる事ですが、フランチャイズというのは本部が開発したビジネススキームを加盟店に売るということです。
ブランドや調理ノウハウ、配送システムなどの仕組みをセットにして提供し、ロイヤリティーや食材の仕入れ、専用什器のを販売する仕組みですね。
FC本部は仕組みを提供してくれますが、実際に商売をするのは自分自身ということになります。
競合が多いということは失敗する加盟店が多くなるのも事実なので、宅配弁当FCに加盟する場合は厳しい市場であるということを理解した上で加盟するのが正しい選択と言えるでしょう。
宅配弁当のフランチャイズは、競合も多く廃業率も高め
少し古いデータにはなりますが、閉店率の割合もあります。
データ引用：Syncro Food
弁当業界は参入障壁が少ないため、大手や個人が参入しやすい業界となっています。
それに加えて、宅配弁当のフランチャイズは加盟金や保証金が無料で誰でもかんたんに参入できることから競合が非常に多く、激戦状態となっています。
１～2年以内に約50%が廃業しており、この１～２年以内に如何にして新規顧客を開拓できるかが勝負だと考えた方がよいでしょう。
差別化が難しいのが宅配弁当のフランチャイズ業界
宅配弁当のボリュームゾーンは300円～400円、高くて700円程度となっています。
弁当の原価率は30%～高くて40%程度なので、100円～200円程度で商品づくりを行う必要があります。
また、衛生面の問題もあるので、冷凍やチルドのものが主力に。
そうなると、どの弁当も似たり寄ったりのメニュー構成になってきます。
非常に差別化が難しいですね。
そこで、ソフト面で勝負するようになってきており、最近では実際に客先の玄関ドアを開けて直接弁当を手渡しすることで安否確認をウリにするようなソフト面で勝負をするような宅食FCも出てきております。
どれだけ早く事業拡大できるかが宅配弁当FC成功のカギ
宅配 弁当 フランチャイズは、弁当１食につき300円から400円、高くて700円程度だと言われています。そうすると、１日に50食売って７日間の営業で約25万円の利益、100食売って35万円程度の利益になります。
安定するには大体１日200食・月間6,000食程を売っていかなければならず、そのレベルにどれだけ早く拡大できるかが宅配弁当FC成功のカギといえるでしょう。
約半数が1～2年で廃業していることからも、このうちにできるだけ月間販売数を増やしていくことが望ましいですね。
老人ホームやデイサービスといった大口顧客といかに契約できるか
宅食の場合、個人客の他に老人ホームやデイサービスといった、高齢者が集まる場所に営業を行うのも重要です。
老人ホームやデイサービスと契約し、メニュー表を置かせていただくことで大量の弁当の注文をいただけることも。
個人宅と異なり、一回の配送で大量の弁当をおとどけできるのも魅力ですよね。
しかし、こういった施設は競合の宅食FCも同じことを考えているので、長期間の営業活動が必要になります。
また、自前で厨房を導入している高齢者施設も増えてきているため、宅食の営業も難しくなっているといえます。
宅配弁当フランチャイズ成功のヒントは営業・原価・配送効率にあり
一見すると非常に厳しい宅配弁当のフランチャイズですが、実際に業界の動向を見ていくと勝ちパターンも見えてきます。
それは
- 1年～２年以内にどれだけ多く営業し、大口の顧客を獲得できるか
- 単価が低いのでどれだけ原価を抑えられるか
- どれだけ早く月間6000食販売へたどり着けるか
この３点ということです。
宅配弁当のフランチャイズに加盟して失敗する事業者のパターンは「営業活動」、「コストダウン」、「配送の効率化」に失敗したともいえるでしょう。
営業は、新規獲得と既存客の掘り起こしが大事
宅配弁当のフランチャイズで成功するためには、営業活動が不可欠ということはおわかりいただけたかと思います。
では、実際にどのように営業活動を行えばいいのでしょうか。
日本仕出し営業代行センターでは、新規営業と既存顧客の掘り起こしをおすすめしています。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
原価を落とせる宅配弁当フランチャイズがおすすめ
宅配弁当のフランチャイズの場合、売価が決まっているのでどれだけ原価を落とせるかが利益率確保のために必要になってきます。
安定した仕入や味が保てるができるのはフランチャイズのメリットでもありますが、宅配弁当のフランチャイズは仕入れ価格が固定で、本部のCK（セントラルキッチン）から一括配送以外の仕入れを不可としている場合があります。
本部からの仕入れの場合、
- 味の品質を一定に保てる
- 調理の手間が省ける
- 食中毒などの管理負担軽減
こういったメリットがありますが、FC本部至急の材料は手数料が上乗せされているので、仕入価格が運営上のデメリットになる場合もあります。
商品の一部や全てを自社の仕入れルートでまかなえるのかは事前にチェックしておくとよいでしょう。
配送効率をどこまで上げることができるか
月間6,000食の宅配弁当を販売するには、配送効率をいかに上げるかが勝負になってきます。
個人宅ではなく人が集まる施設を如何にして狙っていくかも勝負になります。
一度に配る弁当の数が多くなれば、それだけ配送効率も上がるでしょう。
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